雑賀の思惑

こんばんは。雑賀です。今回は、私個人の同人誌に対するコンセプトなど語ってみようかと思います。


ゼロアカ第四回関門の同人誌を作るにあたって私が考えていたこと、それは「東浩紀太田克史からの脱却」でした。同人誌――つまりは本を作るとなったとき、どの方向へ行くかはすごく悩みました。なぜなら、私の興味関心が彼らが扱うもののど真ん中にあるからです。どう取り繕うと、『ファウスト』に人生狂わされた一人だからです。そうであるからこそ、彼らが考えつくラインのことをするのであれば、別に私がやる必要はない。彼らはプロです。年長者です。同じラインナップを揃えるならば、経験にしろ、動員力にしろ、圧倒的に上なのはわかりきっていること。ならば、思いつかないこと、もしくは思いついたところで手をつけるには厄介なところを切っていくしかない、そう私は考えました。
東さんが第四関門を始めるにあたって私たち門下生に言った「宇野常寛力」を見る。私なりに宇野さん界隈を分析したところ、『PLANETS』が東浩紀を意識しすぎるがゆえに生まれたツンデレ的立場をとる雑誌――エヴァに例えるなら、『PLANETS』が惣流・アスカ・ラングレーであるならば、『チョコレート・てろりすと』は綾波レイ的立場でいきたい、そう私は思ったわけなのです。無慈悲なまでの東浩紀界隈への無関心を貫くことで、その存在は「特別」になる。東浩紀は好きだけど、『チョコ・てろ』の中身には今のところ興味を惹かれないという人ほど、私はこれを手にとって考えて欲しい。突き抜けた無関心の先が、見えるはずです。くるりと回って、一冊の本が愛すべき論壇界隈を批評することになっているように感じられるはずです。
あ、でも東さんはアスカが好きなんでしたね。ということは、この発言ってどうなんでしょうね。でも、まあいいか。ちなみに私はカヲル君が好きです。わかりやすくてすいません。それにそろそろ、何でもかんでもエヴァに例えたがるのはどうにかするべきですね。いまだに中二病を引きずっているようです。言い訳ってことはわかってますけど、本当に中二のときにエヴァ全盛期だったんですよ、すでに習慣病、仕方ないんですって……! 最近の子供みたいに勉強のためにエヴァを見ましたとかじゃないんです。私が中二のときって言えば……(以下略)。

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そんなわけで、生意気を重々承知でいうなれば、この雑誌は私たちでなければ思いつかなかったはず、そう言い切ってしまってもいいと思っています。百合作品年表作成のための百合作品二百冊超えとか、発狂一歩手前です。時に語られる恋愛実状は、非モテには辛い内容です。
でも、私が考察するのは常にセカイの続きです。革命前夜より、革命後のほうが大変なのです。筑井さんの言葉を借りるならば、「運命のメールのあとのほうが人生は長い」。どんな風に生きようと、所詮人生は死ぬまでの暇つぶし。なら、「ゼロアカ」を通して私が論壇界隈に興味を抱いたように、誰か一人でも「形而上学女郎館」を通して百合や短歌に興味を抱いてほしい……今回同人誌を作るにあたってのコンセプト、そして私の最終目標はそこに尽きるのです。