没企画曝し

相方様にばかりブログの更新を押し付けて申し訳なくなってきたので私もエントリ。

他のチームがブログでいろいろと面白い試みをしているのでなんだか悔しくなってきました。
村上−ミネオ組は村上さんが動画編集ソフトをゲットして毎日遊んでいるという噂だし、やずなみペアのスタッフの多才さは半端ないし、フジタさんはなんかよくわからないけどがんばってるし…

雑賀さんも書いてくれてますが、私たちには動画編集技術もないし、音楽を作れるわけでもないので、そのようなことができるひとたちを本当に尊敬します。けれどもその代わり確実に、同人誌を皆様の手元へと届けられるよう、ひとりでも多くの人に面白いと言っていただけるよう、制作に邁進していこうと思います。


……
ほかのチームの方が没企画を公開したりしているので、こちらも見習って公開してみます。ついでに没った理由も公開しておきます。
・「犯罪」とオタクカルチャーの血塗られた関係/雑賀
アキバの加藤くんしかり、M君しかり、若者の凶悪犯罪はオタクカルチャーと関連付けられて語られることが多い。犯罪事件とオタクカルチャーの年譜を俯瞰する。

没にした理由→とりあえずこれだけで一冊の本が書けるほど重いテーマであるし、文フリというよりいわゆる「週刊誌」っぽい。何よりそんな言説の構築に私自身が加担したくない(仕事がらやることもあるけど、今でもそんなページをつくってよかったのか悩み続けている)。

・「家族」を問う/筑井
ロフトプラスワンでの東さん、宮台さんたちのイベントでもありましたが、結局最終的な社会のセーフティーネットとしての機能を果たすことになる(?)家族。私も雑賀さんも「結婚して家族がいてもおかしくないお年頃」ではありますが、どうもそういう雰囲気でもない。20代女子から見た「家族」「結婚」というものを、データ的なものではなく実感の言葉として語ってみたかった。

没にした理由→結局のところじぶん語り以外のおもしろい結末を出せるのか、という問題。個別事例の「狂ったところ」は出せても、それにしかならない可能性も…

・雑賀様&筑井の百合絡み写真(脱いじゃうゾ!)/筑井
え〜とすいません。。そんなの誰が喜ぶんだよって話ですよね(汗)。だけどコスプレ百合写真は撮るかも…私はどうでもいいのですが雑賀様の変装遊戯は私が見たい!

ほかにもいろいろあるのですがこのあたりで。

……
先ほど個別事例の「狂ったところ」と書いた点について、少し補足しておきます。
アキバの加藤君事件が起こって、そのあと『週刊現代』に加藤君の弟さんの手記が4週くらいにわたって掲載されていました。それを見ながら私は、私は「自分が加藤智大であったかもしれない」と思うと同時に、「加藤智大の弟であったかもしれない」という思いを強く抱きました。(いや、私一人っ子なんですけどね)


私の父も東大卒(理一→国際関係論)で、そこだけ言うと「じゃあ東大行けみたいな圧力があったんだね」とか言われますが、とんでもない、「あそこにだけは行くな」と言われ続けて18年、もはやこじれまくった父殺しのために私は東大へ行きました。
東大というのはなんやかや言ってもやはりある種特権的な場所で、東大に十分にいけるだけの学力も資力もあるのに、「あそこにだけは行くな」と言われた高校生は、おそらく日本全国を探しても私だけなんじゃなかろうかと思っています。


私は、すべての家庭は、狂っていると思います。すべての個人が狂っているのと同じように。
事件が起こったときに、その家庭にある「狂っている」と思われるところを抽出して物語化することはたぶんたいして難しくないでしょう。そのような物語化を、ワイドショーも週刊誌も好んで行います。もし私に兄がいて彼が「加藤智大」であったなら、私は私の家庭の狂ったところを、いくらでも挙げることができるでしょう(はたから見てそれが、どれほど「幸せそうな家庭」に見えたとしても)。
理解不能な家庭内ルールがあり、理解不能な個人たちがどうにかこうにか「血」のつながりというよくわからないものを信じて寄り添って生きる場所。そしてそれをあたかも所与のものとして疑おうともしないひとたち。

私はそれがどうしてもどうしても息苦しく、18のときに家を飛び出しました。
(このときに感じた解放感は、『ノルウェイの森』でミドリちゃんが本屋をたたんだときに感じた思いと同種のものだと思う)



すべての家庭は狂っている。すべての個人も狂っている。私はそこからはじめないといけないと思う。